
何が起きているか?
2026年2月28日、米国・イスラエルによるイラン攻撃が始まり、開戦から1週間でホルムズ海峡の通航量は97%減少した。
ホルムズ海峡は世界の石油消費量の約20%、世界の海上石油取引の約27%が通過する、エネルギー輸送の大動脈だ。
現状は「完全閉鎖」ではなく「商業的に使えない状態」
保険撤退・船社の自主回避・イランの選別許可・米国の対抗封鎖が重なった結果、「商業的に成立しない通航環境」が続いている。
英下院図書館も「条件付き停戦は継続中だが、ほぼ通航ゼロで実質閉鎖状態」と表現している。
交渉の現在地
トランプ大統領は5月5日、船舶通航支援作戦「Project Freedom」を一時停止した。
イランとの合意に向けた進展があったとしているが、封鎖措置は「全面的に維持」するとしている。
最大の争点は核濃縮問題で、イランは5月中旬時点でも「濃縮の権利は譲らない」との立場を崩していない。
日本への影響
日本の原油輸入のほぼすべてがホルムズ経由に依存している。
政府は5月分需要の約60%を迂回ルートで確保し、不足分を米国産原油で補っている。
最大のポイント:「停戦=再開」ではない
停戦や緊張緩和があっても、海上保険の再開・船舶の安全確認・制裁リスクの整理が揃わなければ、タンカーはすぐには戻らない。
「海峡が開いた」というニュースが出ても、ガソリンや物流費が即座に下がるとは限らない。影響は数週間から数カ月遅れて表れる。
停戦交渉の進展と、物流の正常化はまったく別の時間軸で動く。
ニュースの見出しに惑わされず、この点を押さえておくことが重要だ。(石﨑)
