
給油のたびに「あれ、また上がってる」と感じていませんか。先月まで安くなったと思っていたのに、気づいたら近所のスタンドが180円近くになっている。
「中東で戦争が起きているらしいけど、なんで自分のガソリン代まで上がるの?」と思っている人も多いと思います。
このコラムでは、その理由と「いつまで続くのか」を、できるだけわかりやすくお伝えします。
なぜ中東の戦争で日本のガソリンが上がるのか
日本が使っている石油の約96%は、タンカーという大きな船で中東から運ばれてきます。
そのタンカーが必ず通る場所が「ホルムズ海峡」という細長い海峡です。
幅はだいたい50km。東京から横浜くらいの距離しかありません。
でも世界の石油の5分の1がここを毎日通っています。
2月28日にアメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで、イラン側が「この海峡を通る船を攻撃する」と宣言しました。
タンカーが怖くて通れなくなれば石油が日本に届かない。届かなければガソリンも灯油も作れない。その恐怖が、ガソリン価格を一気に押し上げたのです。
海事代理士として毎日タンカーの書類を扱う立場から正直に言います。
タンカーが「通れない」のではなく「怖くて通りたくない」状態になっただけで、こうなります。
それほどこの海峡は日本の生活に直結しているのです。
今の価格と、補助金の話
3月9日時点のガソリン全国平均は1リットル161.8円で4週連続の値上がり。3月12日にはすでに一部のスタンドで196円に達しています。
政府はこの事態を受けて、2026年3月19日出荷分からガソリン補助金を再開し、全国平均170円/L程度に抑える方針を発表しました。
ただし「3月19日から安くなる」と思っている人は要注意です。
補助金は石油の元売り会社への卸売の段階で支給されます。
各スタンドの今の在庫は補助前に仕入れた分なので、新しい燃料が届いて初めて店頭価格が下がります。
実際に安くなるのは3月末から4月上旬が見込みです。 焦って今すぐ駆け込み給油しなくて大丈夫です。
最悪いくらになる?ぶっちゃけた話
放っておけば200円近くまで上がってしまうところを、国が税金を投入して「なんとか170円前後」のラインで防波堤を作っている状態です。
裏を返せば「どんなに国が頑張っても、当分は170円台からは安くならない」という現実でもあります。
さらに最悪の場合、野村総合研究所の試算では、ホルムズ海峡が完全封鎖されて長期化した最悪のシナリオでは、補助金なしで1リットル328円まで上昇する可能性も示されています。
もちろんそこまでいかないよう政府も動いていますが、戦争がいつ終わるかは誰にもわかりません。
今すぐできること3つ
一つ目は、補助金の効果が出るまで待つことです。
3月末から4月上旬には店頭価格が落ち着いてくる見込みです。焦って今すぐ高い値段で満タンにしなくていいです。
二つ目は、給油アプリを使うことです。同じ地域でもスタンドによって10円以上の差がつくことがあります。
「gogo.gs」などの無料アプリで近くの最安値を調べるだけで、年間数千円変わります。
三つ目は、補助金の財源は約2,800億円で無限ではないことを知っておくことです。
戦争が長引けば補助金が尽きて、また一気に上がるリスクがあります。
「いつかは安くなる」ではなく「高い状態が続く可能性もある」という前提で、家計を組み立てておくことが大事です。
本記事は2026年3月18日時点の情報をもとに作成しています。
最新のガソリン価格は資源エネルギー庁(nenryo-teigakuhikisage.go.jp)でご確認ください。(石﨑)
