三重・鳥羽沖の衝突事故が発生

まず今回の衝突事故で亡くなられた2名の方そして事故に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます

2026年2月20日、三重県鳥羽市沖で、貨物船と遊漁船が衝突し、遊漁船側に死者を含む多数の死傷者が出る事故が報じられました。

事故後、運輸安全委員会が現地調査を開始し、海上保安当局も捜査を進めています。 

原因の詳しいことは、これから調べられていきます。

今回の事故を踏まえて海事代理士の私が話せる内容としては日々の業務や手続きはどうであったかです。

操船の上手い下手だけではなく、事業として、安全が“仕組み”になっていたか。

今後、海運業界でそれが問われます。

そしてその仕組みは、気合いだけでは作れません。

日々の「整える」積み重ねでしか、形にならないのです。

海事代理士ができるのは、舵を握ることでも、救助の現場に立つことでもありません。

けれど、事故を遠ざけるための土台を、静かに、確実に整えることはできます。

たとえば、風や波、視界、注意報などを基準にして「今日は出さない」と迷わず言える出航判断のルールをつくる。

混み合う海域での見張りや注意点を、誰がいつどう確認するかまで決めておく。

もしものときには、誰が人数を把握し、どこへどの順で連絡し、何を伝えるのかの緊急時の手順マニュアルを先に書いておく。

そして、点検や乗船名簿、連絡の記録を“毎回残せる形”に整え、チェックリストで抜けを減らします。

記録は冷たいものではありません。万一のときに乗る人を守り、事業者自身を守り、二度と同じ悲しみを繰り返さないための「証拠」と「約束」になります。

事故は、起きてから整えようとすると、心も現場も崩れそうになるほど苦しくなります。

だからこそ、何もない日に、淡々と整える。

その地味な積み重ねが、海の仕事を続ける力になり、乗る人の安心につながります。

私は、その「整える」を、続く形にして残すための支えになる海事代理士でありたいです。

最後に、出航の判断、点検の確認、連絡の流れ、書類の言葉――その一つ一つを、現場で本当に使える形にする。

そうやって、事故を「起きてから考える」ものではなく、「起きる前に減らす」ものへ変えていく。

私はそこに、今後の海運業界の課題とがあり、海事代理士が海事代理士として居る価値があると思います。(石﨑)