2026年インバウンド動向と都市型ハイヤーの戦略

今年のインバウンドは「人数は減っても消費額は過去最高」という年です。

 

訪日客数は昨年の4,268万人からわずかに減って4,140万人が見込まれる一方

消費総額は9.64兆円と過去最高が予測されています。

一人ひとりがより多くお金を使うようになっているということ

数字だけを見て悲観する必要はありません。

 

最大の変化は中国客の急減です。2025年11月、政治的な摩擦をきっかけに中国政府が自国民に渡航自粛を呼びかけ

その影響は数字に如実に表れています。

2025年12月に前年比マイナス45%、2026年1月にはマイナス61%、3月もマイナス56%と急落が続いています。

中国政府が旅行会社に「日本への送客を従来の6割に抑えるよう」指示したとも伝えられており短期での回復は期待しにくい状況です。

 

2012年の尖閣問題のときも、訪日中国客が元の水準に戻るまで数年を要しました。

今回も同様の長期化を覚悟しておく必要があります。

その穴を埋めているのが欧米・台湾・韓国です。

台湾は前年比プラス25%、韓国はプラス15%、米国はプラス10%と好調で

米国や英国など7市場では単月の過去最多を更新しました。

特に欧米豪の旅行者は滞在期間が長く、1人あたりの支出が39万円前後と突出して高い水準にあります。

買い物よりも宿泊・飲食・交通といった「体験」や「移動の質」にお金をかける層であり

消費構造としてサービス費用が全体の7割を超える状況が定着しています。

 

都市型ハイヤーにとって、この構造変化はむしろ追い風です。

中国団体客は旅行会社が手配するバスツアーが中心でしたが

増えている欧米・台湾の個人旅行客(FIT)は専用車を好みます。

訪日客の旅行手配における個人手配の割合はすでに84%を超えており

ハイヤー需要の土台は着実に広がっています。

特に大阪・近畿エリアは中国団体客への依存度が高かった地域であり

意識的なターゲット転換が急がれます。

 

ここが本題です。

 

中国団体客は「旅行会社が手配するバスツアー」が中心でした。

一方、増えている欧米・台湾の個人旅行客(FIT)は「自分でアレンジする専用車」を求めます。

個人手配の割合はすでに84%を超えており、これはハイヤーにとって追い風の構造変化です。

①ターゲットを欧米FITに切り替える

高単価・長滞在・体験重視の欧米豪客は、空港送迎だけでなく観光地巡り、ビジネスアポ同行、日帰り遠足など多様な用途でハイヤーを使います。

英語対応できるドライバーの確保と、英語・多言語のウェブ予約導線の整備が急務です。

②大阪・近畿エリアは特に意識的な転換が必要

中国団体客の依存度が高かったのは近畿・中部エリアです。

この地域のハイヤー事業者ほど、今すぐ営業先のターゲットを切り替える必要があります。

③「量より質」の時代に乗る

富裕層向けの高付加価値サービスへの需要が明確に高まっています。

通訳案内士との連携、ラグジュアリーホテルとのパッケージ提案、MICEや医療ツーリズムの送迎など

単なる移動以上の価値を提供できる事業者が差をつけていきます。

④中国市場は「捨てない、依存しない」

中国個人旅行客はまだ一定数来日しています。また政治関係が改善すれば需要は戻ります。

2012年の尖閣問題のときも、回復には数年かかりました。

今は依存を下げつつ、関係だけは切らないのが賢明な姿勢です。

 

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