
「ガソリン190円の理由をわかりやすく解説【2026年3月最新】」
スタンドに「本日レギュラー190円」の看板が出た日、多くのドライバーが思ったはずだ。「なぜこんなに高いのか」と。
答えは中東にある。
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始した。
イラン革命防衛隊はその翌3月1日から報復として商船攻撃を始め、ホルムズ海峡を事実上封鎖した。
ホルムズ海峡とは、ペルシャ湾の出口にある幅約50キロメートルの細い海の回廊だ。
世界の原油海上貿易量の約25%、アジア向け原油・LNGの80%超がここを通過する。 その水道が、ほぼ閉じた。
封鎖前は1日93.7隻が通っていたが、3月上旬には1日わずか5.9隻にまで激減した。
日本はこの事態と無縁ではない。原油輸入の9割をホルムズ海峡経由の中東産に頼っているからだ。
タンカーが日本に届くまで約20日。すでに通常通りに届かない局面に入っている。
その結果、3月16日のレギュラーガソリン全国平均は190.8円を記録した。
1990年の調査開始以来、過去最高水準だ。 都内では200円を超えたスタンドも出た。
政府は動いた。3月19日出荷分からガソリン補助金を再開し、3月26日以降の補助単価はレギュラーで48.1円/L、軽油で65.2円/Lと、補助制度が始まった2022年以来の最高額となった。
おかげで3月23日時点の全国平均は177.6円/Lと約13円下がった。
それでも、つい数カ月前の水準からすれば高い。
2025年末にガソリン暫定税率が廃止され、25円下がるはずだった。その恩恵は、中東情勢の急変によって完全に帳消しになった。
今後はどうなるか。
トランプ大統領は「イランが合意に応じれば海峡は再び開かれる」と言う。
しかし同時に「機雷が敷設されていないか確信が持てない」とも漏らしており、通常航行がいつ戻るかは誰にも分からない。
フィッチ・レーティングスは、封鎖が6カ月続いた場合のブレント原油を平均120ドル、急騰時には130〜170ドルと試算している。
そうなればガソリンだけでなく、電気代、食品、物流コストすべてが上がる。
給油するたびに遠い海峡の話を思い出してほしい。私たちの暮らしは、一本の細い水路の上に乗っている。(石崎)
