
「ガソリンが上がってるのはわかった。でも電気代とかスーパーの値段はどうなるの?」という声をよく聞きます。
実は、ガソリンが上がってから少し遅れて、電気・ガス・食費も順番に上がってきます。
怖いのは「気づいたときにはもう上がっていた」という状況です。
このコラムでは「いつ・何が・いくら上がるか」を先に知っておくための情報をまとめます。
電気代・ガス代が今月から上がるわけではない
ガソリンは原油が上がると1〜2週間で値段に反映されます。でも電気代とガス代は違います。
電気・ガスの料金は2〜5か月前の平均輸入価格をもとに計算される仕組みになっているため、3月のイランショックが電気・ガスの請求書に本格的に届くのは7月から8月以降になります。
今月のニュースを見て「電気代も今月から上がる」と読むのは誤りです。
これは多くの人が勘違いしているポイントです。「戦争が始まったから今月の電気代も高い」は違います。
今月の請求書に出てくるのは数ヶ月前の原油価格が反映されたものです。本番はこれからです。
「何がいつ上がるか」カレンダー
まずガソリン・軽油・灯油は今すでに上昇中です。補助金で170円程度に抑えられていますが、高い状態が続いています。
次に電気代は4月から補助金が縮小して少し上がります。そして7〜8月に本格的に上昇します。ガス代は8〜9月から本格的に上がります
。食費と日用品は物流コストの上昇が波及して、数ヶ月後にじわじわ上がってきます。
この順番が大事です。「今は電気代が上がっていないから大丈夫」ではなく、「夏に向けてダブルパンチが来る」と思っておいてください。
夏の電気代が特にヤバい理由
気象庁は2026年夏について「全国的に平年より高温」と予報しており、2025年夏はすでに観測史上最高気温を記録しています。
電気代の単価が上がる上に、冷房の使用量も増えるダブルパンチとなる可能性があります。
電気代が1割上がって、さらに暑くて冷房を1割多く使えば、請求額は2割以上増える計算です。
野村総合研究所の中間シナリオでは、電気代・ガス代も半年から1年程度の間に1割超の上昇となる見通しです。
食費も上がる2つの理由
食費が上がる理由はシンプルです。
一つ目は物流コストです。
スーパーに並んでいるものは全部「トラックで運ばれてきたもの」です。
軽油が上がれば運ぶコストが上がり、その分が値段に乗ってきます。
ガソリン価格が10円上昇すると食料品価格は1〜2%上昇するとされており、月3万円の食費なら300〜600円の増加になります。
二つ目は肥料です。中東は肥料の原料の主要産地でもあり、今回の戦争で調達懸念が高まっています。
春の作付け期に肥料が不足するとトウモロコシや大豆などの農作物の価格高騰を招き、食品価格の上昇につながる恐れがあります。
家計全体でいくら増える?
みずほリサーチ&テクノロジーズの試算では、原油高騰が継続した場合、ガソリン代・電気代・ガス代などを合わせた家計負担の増加は1世帯平均2万2,000円になるとされています。
月に直すと約1,800円の増加です。「たいしたことない」と思う人もいるかもしれませんが、これは戦争が「現状程度」で続いた場合の試算です。長期化・悪化すればさらに増えます。
今からできる備えは3つだけ
一つ目は夏の電気代を今から覚悟しておくことです。
7〜8月の請求書が高くても驚かないよう、今のうちから家計に「電気代バッファ」を作っておいてください。
二つ目は食費の「少し多め買い」です。
値上がり前に保存のきく食品をまとめ買いしておくことは合理的です。ただし過度な買い占めはNGです。
三つ目は固定費の見直しです。エネルギー代が上がる今こそ、電力プランや通信費など「毎月かかる費用」を見直す好機です。
上がる支出を減らす努力よりも、別のところで固定費を削る方が精神的にも楽です。(石﨑)
