海が世界をひとつにした話

今回のコラムは少し内容変えて、

過去の人々の『海』と『ビジネス』の歴史を少し紹介したいと思います。

 

「胡椒」が戦争を起こした、って知ってますか?

中世のヨーロッパで、胡椒はほぼ「金」でした。

給料を胡椒で払う国もあったくと言われています。

でもその胡椒、どこから来るかというと

 

インド

 

陸上でインドからヨーロッパまで運ぶと4~5カ月かかります。

もちろん当時は自動車などは無く、ラクダや馬で運んでいたので

1回の輸送で5キロ本国に届けばいい方で途中、盗賊や事故に遭う被害も続出し、なかなか手に入らなかったそうです。

だから人々は必死に「もっと近くて安全な道」を探し始めたました。

それが、大航海時代のそもそものきっかけになり、胡椒と土地を求める戦争へと発展していきました。

香辛料ひとつが、世界地図を塗り替えてしまったそうです。

 

ヴァスコ・ダ・ガマが変えた世界

1498年、ポルトガルの船乗りヴァスコ・ダ・ガマがアフリカ最南端の喜望峰を回り、インドへの直行ルートを開き大きくスペインが海洋帝国となる瞬間を作りました。

この瞬間、最も困ったのはヴェネツィアの商人たちです。

それまで「インドとヨーロッパの仲介役」として荒稼ぎしていた彼らは、一夜にして商売の根拠を失いました。

海の道が変わると、お金の流れが変わる。

お金の流れが変わると、国の力が変わる。

地理の話が、そのまま歴史の話になるのが面白いところですね。

 

風を「読む」という技術

GPSも気象衛星もない時代、船乗りの最大の武器は「風の知識」でした。

インド洋には季節によって風向きが逆転する「モンスーン」が吹き荒れます。

夏は南西から、冬は北東から。

アラブの商人たちはこれを何百年もかけて覚え、まるでバスの時刻表のように使いこなしていたそうです。

星を見て、風を感じて、波のうねりで海底の地形を読む。

航海術は、科学であり、職人技であり、ほとんど「芸術」でした。

ですが最終的に、人類はその読めない風をも克服しました。

そもそも、19世紀に蒸気船が登場するまで、海運は基本的にギャンブルでした。

風が吹かなければ動けない。

嵐が来れば沈む。

到着日は「だいたいこのへん」。

ところが蒸気船は、風に関係なく進める。

時刻表が作れる。保険が計算できる。突然、貿易が「予測可能なもの」になった。

冒険家の仕事が、物流マネージャーの仕事になった瞬間です。

ちょっと寂しいけれど、世界はぐっと豊かになりました。

 

そして今日

現代の巨大コンテナ船は、一隻で約2万個のコンテナを積めます。

東京ドームがすっぽり入るサイズ。

あなたが今日飲んだコーヒーも、使っているスマホも、ほぼ確実に一度は海の上にいたのです。

世界中の港でコンテナが積み下ろしされる、その静かな動きの上に、私たちの日常は乗っかっています。

胡椒を求めて嵐の海に飛び込んだ船乗りたちが見たら、きっと目を丸くするでしょう。(石﨑)

 

 

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