安全にはお金がかかります。
トラック事業者の自助努力では限界に来ています。
安全のために適正な運賃が必要だということを、多くの人に知ってほしいということです。
以前トラックドライバーは月60~70万円くらいの給料をもらっていました。
しかし1990年、競争の促進と輸送の安全確保を目的としたいわゆる「物流二法」が施行。
運送事業への参入がしやすくなって事業者の数が大幅に増え、さらに運賃についても、
それまでの認可制からより自由度の高い事前届出制(現在は事後届出制)となりました。
規制緩和によって業界は過当競争に陥り、運賃は下がっていきました。
運送事業者にとって、安全は一番の売りであり、商品です。
その実現のためには、最新の安全装置がついたトラックを導入するだけでなく、
ドライバーをしっかり指導しないといけません。
新入社員にも経験者にも安全運転の研修が必要であり、指導役の人件費や場所代なども考えたら、
中小事業者には決して少なくない負担となります。こうした負担をまかなえる余裕がないと、
研修もなく、一日でも多くドライバーを稼働させたほうがよい、と考えてしまいます。
つまり。安全にはお金がかかる。しかし、事業者の自助努力は限界に来ています。
安全のために適正な運賃が必要だということを、多くの人に知っていただきたいと思います。