貨物運送事業の許可取得のための準備
許可を取るためには、大きく分けて「人」「物」「金」に関する3つのハードルをクリアしなければなりません。
「人(人的要件)」は運行管理者や整備管理者といった管理者の配置に関するもの、「物(施設的要件)」は営業所、車庫、休憩・睡眠施設といった設備に関するもの、「金(資金的要件」は事業のための資金に関するものです。
運送業許可取得に関する、「人的要件」には以下のようなものがあります。
1.申請者が法令試験に合格する
2.申請者が欠格事由に該当しないこと
3.5人以上の運転者
4.運行管理者と整備管理者の選任
法令試験
申請者が法令試験に合格しなければ運送業の許可を取得することができません。
法令試験は、一般貨物自動車運送事業法などの自動車運送に関する法令が出題範囲となり、試験時間50分で30問の問題が出され、24問(8割)以上の正解で合格です。
法令試験を受験するのは、個人事業の場合は事業主本人、株式会社などの法人であれば常勤の役員(代表取締役、取締役など)のうちの1人です。
受験のタイミングは許可申請後で、2回以内に試験に合格できなければ、その申請は却下となります。
法令試験の過去問など、今まではどこを探してもなかったのですが、今現在は、令和2年7月実施分から近畿運輸局HPに掲載されていますので、是非参考にしてください。
欠格事由
申請者(個人事業の場合は事業主本人、株式会社などの法人であれば役員全員)が以下のどれか1つにでも該当してしまうと許可を取得することができません。
・1年以上の懲役または禁錮以上の刑を受けてから2年経過していない
・一般貨物自動車運送事業または特定貨物自動車運送事業の許可取消しから2年経過していない
・未成年者または成年被後見人であって、その法定代理人が上記2つのいずれかに該当する
5人以上の運転者
運送業の許可を取得するためには最低5台の車両が必要となるため、最低でも5人の運転者が必要になります。
運転者は、日雇いや2ヶ月以内の短期雇用ではなく、事業用自動車を運転することができる自動車免許を所持していなければなりません。
申請時点で5人確保できていない場合であっても、許可取得までに5人以上確保できる予定であれば問題ありません。
運行管理者
運送業の許可を取得するためには最低でも1名の運行管理者の選任が必要です。(車両29台までは1名。以降30台ごとに1名増員の必要があります)
運行管理者になるためには、運行管理者試験に合格する必要があり、この試験を受験するためには、
1年以上の事業用自動車の運行管理の実務経験
自動車事故対策機構などが開催する運行管理者基礎講習を修了
のいずれかを満たす必要があります。
実際は、試験を受ける方の方が多いです。
運行管理者は、運転者と同じく、申請の時点に間に合わなくても、許可取得までに選任できれば問題ありません。
整備管理者
整備管理者になるためには、一定の資格を持っているか、一定期間以上の実務経験と地方運輸局長の開催する整備管理者選任前研修の修了、のいずれかを満たす必要があります。
資格で整備管理者になる場合には、一級~三級の自動車整備士資格のいずれかを持っていなければなりません。
また、実務経験で整備管理者になる場合には、整備工場、特定給油所、自動車運送事業者のもとで、点検、整備、整備の管理に関する2年以上の実務経験を積んだ上で、上記の整備管理者選任前研修を修了しなければなりません。
なお、実務経験は、勤務していた事業者から証明してもらう必要がありますので、円満に退職していなかった場合や、その事業者が既に廃業してしまっている場合など、実務経験を証明してもらえないことがありますので注意が必要です。
実務経験を証明してもらえないときには、自動車整備士資格を取得するか、他の候補者を確保するなどといった対策が必要になります。
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