貸切バス事業の許可には、平成29年から5年ごとの更新制が導入されています。更新の審査では、許可を受けたときに立てた計画どおりに、安全への投資や運営ができていたかが確認されます。この記事では、更新制の仕組みと、審査に備えて日頃から整えておきたいことを整理します。

更新制が導入された背景

更新制は、平成28年に起きた軽井沢スキーバス事故をきっかけに導入されました。新規参入が増えて価格競争が激しくなる中で、安全への投資が後回しにされていたことが問題になったためです。そのため、貸切バスの更新審査は「安全に事業を続ける力があるか」を確かめることに重点が置かれています。

更新申請の時期

許可の有効期間は5年です。有効期間が満了する日より前に、運輸局が定める期限までに更新の申請をしなければなりません。期限を過ぎると更新を受けられず、事業を続けられなくなるおそれがあります。審査には時間がかかるため、満了日から逆算して、余裕を持って準備を始めることが大切です。

更新の審査で確認される主な点

確認される点 内容
安全投資計画の実施状況 車両の代替、安全設備の導入、運転者の教育などを、計画どおりに実施したか
事業収支の実績 安全投資を続けられる収支の状況か
運行管理・整備管理の体制 運行管理者・整備管理者などが基準どおりに配置されているか
法令遵守の状況 過去の行政処分の有無や、その内容
運輸安全マネジメント 安全管理の取り組みが継続しているか

特に重視されるのが、安全投資計画と実績のずれです。計画どおりに投資ができなかった場合は、その理由と今後の計画を説明できるようにしておく必要があります。

毎年の報告と記録

更新の審査は、5年間の積み重ねを見るものです。毎年の事業報告書や輸送実績報告書、安全投資計画にもとづく実績の報告を期限どおりに提出しているかも確認されます。日々の点呼や運行指示書、乗務の記録などの不備は、監査で指摘されやすく、行政処分につながれば更新にも影響します。

区域の拡大や営業所の新設を予定している場合

営業区域の拡大や営業所の新設は、事業計画の変更として認可が必要になります。更新の時期と重なると、審査が複雑になることがあります。事業の拡大を考えている場合は、更新のスケジュールとあわせて計画を立てるのが安全です(詳しくはシリーズ第2回)。

まとめ

貸切バスの許可更新は、5年間の安全投資と運営の実績が問われる審査です。毎年の報告と日々の記録を確実に残しておくことが、更新を乗り切るいちばんの準備になります。

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シリーズのほかの記事 第1回「貸切バス事業の許可要件と審査の流れ」/第2回「営業区域の拡大・営業所の新設で失敗しないために」

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