ハイヤー事業の許可には、更新の手続きがありません。その代わりに、毎年の報告と、日々の運行管理の記録が求められます。これらが不十分なまま運輸局の監査を受けると、車両の使用停止などの行政処分につながることがあります。この記事では、許可を受けた後に必要な報告と、監査に備えて整えておきたい記録を整理します。

毎年の報告

ハイヤー事業者は、毎年、運輸局へ次の報告を提出する必要があります。

報告の種類 主な内容
事業報告書 事業年度ごとの財務の状況、事業の概況
輸送実績報告書 1年間の輸送の実績(走行距離、輸送人員、営業収入など)

どちらも提出期限が決まっており、毎年同じ時期にやってきます。決算や集計の作業と重なるため、期限が近づいてから慌てないよう、年間のスケジュールに入れておきましょう。

監査で確認される主な記録

運輸局の監査では、安全な運行のための体制が守られているかが、記録をもとに確認されます。

  • 点呼の記録:乗務の前後に、運転者の健康状態や酒気帯びの有無を確認した記録
  • 乗務の記録:運転者ごとの乗務の内容
  • 運転者台帳:運転者ごとの免許の内容や、健康診断・適性診断の受診状況
  • 指導監督の記録:運転者への安全教育の実施内容
  • 点検整備の記録:車両の日常点検・定期点検の結果

特に指摘されやすいのが、点呼の記録の漏れと、健康診断や適性診断の受診漏れです。新しく採用した運転者や、一定の年齢に達した運転者には、受けるべき適性診断が決まっています。

行政処分の仕組み

監査で法令違反が見つかると、違反の内容に応じて、車両の使用停止や事業の停止などの処分が行われます。処分には違反点数がつき、点数が一定以上になると、より重い処分の対象になります。点数は一定期間たてば消えますが、違反を繰り返さないことが何より大切です。

変更があったときの手続き

営業所や車庫の移転、車両数の増減、役員の変更などがあった場合は、内容に応じて事前の認可申請や事後の届出が必要です。認可が必要な変更を、届出で済むと思い込んで先に実行してしまうと、法令違反になるおそれがあります。変更を予定している段階で、必要な手続きを確認してください。

まとめ

ハイヤー事業は更新の手続きがない分、毎年の報告と日々の記録の積み重ねが、事業を続けるための土台になります。報告の期限と記録の管理を仕組み化しておくことで、監査にも落ち着いて対応できます。

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