ハイヤー事業の許可は、申請してから許可が出るまでに数か月かかるのが一般的です。さらに、書類の補正や計画の見直しが必要になると、その分だけ営業開始が遅れます。審査が長引く原因は、多くの場合、申請前の準備の段階にあります。この記事では、審査で時間がかかりやすい4つのポイントと、その対策を整理します。
ポイント1:資金計画と自己資金
申請では、車両の購入費やリース料、営業所・車庫の賃料、保険料、税金、当面の人件費や燃料費などを積み上げた資金計画を作り、その全額を自己資金でまかなえることを示します。審査で多く指摘されるのは、次のような点です。
- 運転者の人件費や保険料など、必要な費用が計画から抜けている
- 自己資金の残高が、申請後の審査期間中に計画の額を下回ってしまう
- 資金の出どころが説明できない(一時的に借りた資金で残高を作っている)
資金は申請時だけでなく、許可が出るまで確保し続ける必要があります。開業前の設備投資のタイミングも含めて、資金の動きを計画しておきましょう。
ポイント2:運行管理の体制と運転者の確保
ハイヤー事業では、運行管理者と整備管理者を選任し、第二種運転免許を持つ運転者を確保する必要があります。審査では、事業計画の車両数と運行の内容に対して、人員の体制が足りているかが確認されます。
特に時間がかかるのが運転者の確保です。第二種免許を持つ運転者は都市部でも採用が難しく、「許可が出てから採用する」という計画では、体制の裏付けが弱いと見られることがあります。採用の見込みや雇用の予定を、申請の段階で具体的に示せるように準備しておくと安心です。
ポイント3:営業所・車庫の使用権原と基準
営業所と車庫は、申請者が使用する権利を持っていることを、賃貸借契約書や登記簿などで示します。また、建物や土地が都市計画法・建築基準法・農地法などに違反していないことも確認されます。
- 賃貸借契約の使用目的が「駐車場(自家用)」になっていて、事業用車庫としての使用が認められていない
- 車庫の広さが車両数に足りない、車両の周囲に必要な余裕がない
- 車庫の前面道路の幅が、使用する車両の大きさに合っていない
物件を決める前に、営業所・車庫の基準を満たすかどうかを確認しておくことが、審査を長引かせないいちばんの対策です。
ポイント4:役員の法令試験
常勤の役員は、審査の中で道路運送法などに関する法令試験を受け、合格する必要があります。試験の実施回数は限られており、不合格になると次の試験日まで待つことになります。不合格が続くと、申請の取り下げを求められることもあります。試験の範囲は広いため、申請の準備と並行して早めに学習を始めておきましょう。
審査をスムーズに進めるために
4つのポイントに共通しているのは、「申請書を作る前に、計画の前提をそろえておく」ことです。資金、人、物件の3つが固まってから申請すれば、補正や見直しの回数を大きく減らせます。
まとめ
ハイヤー許可の審査が長引く原因は、資金計画の抜け、運転者の確保の見通し、物件の基準、法令試験の4つに集中しています。行政書士法人SUNでは、申請前の計画づくりの段階から、審査で指摘されやすい点を一緒に確認しています。
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